まちの再生、未来へつなぐ/多久市・香月正則市長に聞く
2026年01月27日(火)
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2025年9月に多久市長に就任した香月正則氏。多久市で育ち、2011年から市議会議員として市政に携わってきた香月市長に、今後のビジョンを聞いた。
―市長として最優先に取り組みたいことを教えてください―
人口減少が大きな課題です。すぐに人口を増やすのは簡単ではないので、まず交流人口の拡大に取り組む必要があると考えています。
観光地の改修や積極的なイベントの開催によって、まちの賑わいを生み出したいと考えています。そのための新規出店や起業希望者への支援を行い、チャレンジする人の背中を押す「きっかけづくり」を重視していければと思います。
若者や子育て世帯への支援には特に力を入れたいと考えています。
保育料については、現在、0~2歳の第2子以降の無償化に取り組んでいます。今後は第1子にも広げる方向で検討を進めていきます。また子育て世帯の経済的負担を軽くするため、新小学一年生の赤白帽やタブレットのカバーなど学用品の購入も支援したいと考えています。
多久市は児童センターあじさいなど、ハード面でも子育てしやすい環境が整っていて、これらを市の強みとして積極的に発信していきたいと考えています。子育てに力を入れているとPRすることで、定住促進や人口減少の歯止めにつなげたい。そのための「ベースづくり」が必要だと考えています。
―交流人口創出のプランを教えてください―
多久市の方はもちろん市外の方も楽しんでもらえるように中央公園や西渓公園、多久聖廟周辺といった場所を、観光地として更に魅力あるものに整えていきたいと思います。
例えば中央公園には桜や紅葉が植栽されていますが、春には満開の桜の隣で紅葉が寂しそうに立っていて、季節ごとの見どころがぼやけてしまっています。
私が二十歳ぐらいの頃、中央公園は花見の名所でたくさんの人で賑わっていました。けれど今はそういう風景も見られず、公園の方針がはっきりしないまま時間が経ってしまったと感じています。
だから「この公園は桜」「この公園は紅葉」と、それぞれ狙いを定めて整備していきたい。この方針はすでに担当課とも共有していて、植え替えが必要なところでは実際に予算を付けて取り組んでいます。
このように、昔に賑わっていた場所を再び人を呼び込む観光地として再整備して、人の目にとまる風景をつくっていきたいと考えています。2028年に佐賀県で初開催となる「全国都市緑化フェア」と、同時展開される「山の博覧会(仮称)」に間に合わせることを整備の目標と考えています。
また多久市は「ウォールアートプロジェクト」にも力を入れていて、現在市内にあるウォールアート74カ所を2026年度中に100カ所まで増やしたいと考えています。アートと多久市内の名所を結びつけて、まちなかを巡る楽しさを感じてもらえるようにしたい。あわせて空き店舗の利活用なども進めていければと思います。
―公共工事に関わる展望を聞かせてください―
まちの基盤づくりとして、今後も社会資本整備、公共工事に力を入れていきたいと考えています。
とりわけ、多久市公共施設個別施設計画にも掲げております、市庁舎の在り方について検討していきます。近接する公共施設についても、40年以上経過している状況であることから、これらを集約化することも視野に入れ、また、行政機能に加えて災害時の防災拠点施設としての位置付けなど、多角的に検討しなければならないと考えています。
まずは、今後どうやって進めていくか、スケジュール等を含めた基本構想策定の検討を進めていきたいと考えています。
あわせて、都市計画道路の見直し、多久駅周辺の活性化など、まちの将来像を描く「骨格」となるビジョンを示していきたいと思っています。
―整備が進む佐賀唐津道路への思いを聞かせてください―
佐賀唐津道路は、多久市の交流人口の拡大に大きく関わる重要なインフラだと考えています。すでに多久市内のほとんどの区間は完成し、現在は多久~小城の区間を国が、Tゾーンを県が、それぞれ整備を進めています。ただ、未着手区間の事業主体が決まっていないことや、終点が唐津市のどこになるのかも明確になっていない点は、今後の整備に向けて早期に方向性を示してもらいたいと考えています。
道路が全線つながることによって多久市へのアクセスが向上し、交流人口の増加が期待できます。ただし、多久市が単なる「通過点」になっては意味がないと考えています。いかに「寄り道したくなるまち」にできるかが重要で、そのために多久IC周辺の魅力づくりや市内回遊性の向上を図る必要があると考えます。
市としては、多久ICを佐賀唐津道路とつながる要所としてさらに活用していけるよう、観光や商業を含めた魅力的なまちづくりに取り組んでいきます。これにより、道路整備の効果を最大限に活かした地域活性化を目指していきたいと思います。
―建設業に携わる方々へのメッセージをお願いします―
日頃から、自治体の事業推進に多大なるご尽力をいただいている建設業の皆さまに、あらためて深く感謝を申し上げます。特に2019年、21年に発生した災害時には、応急対応や復旧作業に真摯に取り組んでいただき、大きな力を発揮していただきました。
また、現在の自治体が抱える課題の一つである「技術系職員の不足」に対しても、さまざまな場面で助言や支援をいただいており、非常に心強く感じています。
これからも、地域を共に支え、つくっていく仲間として、手を取り合い、輪を広げていけたらと考えています。多久市をはじめ、周辺自治体、そして佐賀県全体で頑張る皆さまと力を合わせ、まちづくりに取り組んでまいりますので、今後とも変わらぬご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
【プロフィール】
香月正則(かつきまさのり)氏。
1972年7月20日生まれ。1991年3月に佐賀県立多久工業高等学校(現・多久高等学校)卒業後、民間企業勤務を経て2011年に多久市議会議員に初当選。以降、市議会議員を務め、2025年9月に多久市長選挙初当選、第9代多久市長に就任










