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2025年・夏の特集/人手不足に挑む県内建設業『事例にみる外国人受入れの実態と工夫』

交流と絆づくりの場を創出/スー・ヤダナーライン氏/シマウチエンジニアリング㈱

2025年09月02日(火)

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人物

スー・ヤダナーライン氏

《企業側の声》
○受け入れている外国人材
 現在、弊社ではミャンマーから高度人材を1人受け入れている。

○受け入れ目的
 一つは、高度な技術や専門知識を持つ人材を確保し、自社の技術力向上や業務の高度化を図ること。もう一つは、異文化や多様な視点を社内に取り入れ、組織の活性化やイノベーション創出を促進すること。

○受け入れて良かったこと
 海外の大学や日本の大学院で学んだ専門知識と技術により、即戦力として活躍している。展示会や国際会議では、英語や現地語による専門的な技術説明もスムーズに対応できる。

○困ったこと
 入社前から佐賀大学で日本の生活や言葉に親しんでいたため、新しい環境にもすぐになじみ、自信をもって働いている。職場で特に困ったことはない。

○外国人材の住まい
 民間アパートに入居し、家賃の50%を会社が補助している。暮らしの安全と快適さを支援している。

○外国人材に快適に働いてもらうための工夫
 食事会・社員旅行などで相互理解を深める機会を定期的に用意し、交流と絆づくりの場を創出している。

○現在働いている外国人に期待すること
 専門スキルのさらなる発揮と技術力の向上のために資格取得に向けた支援をしていく。日本独自の技術や制度を理解し、技術士やRCCMなどの資格取得も目指してほしい。

○外国人材の受け入れを検討している企業に一言
 新しい視点や技術をもつ外国人材は、御社の力強い支えとなる。初めは戸惑いもあるかと思うが、少しづつ一緒に歩んでいけば道は開けるはず。何か手伝えることがあればと思っているので、気軽に相談して下さい。

《スー・ヤダナーライン氏》
○来日の動機
 大学生の終わりごろ、海外の大学院に応募しました。日本のほか韓国やアメリカも検討しましたが、家族と相談し、日本が良いという話になりました。日本は安全なイメージが強く、ミャンマーでも「留学するなら日本」という声をよく聞きます。

○日本の働き方や建設業の印象
 最初は「厳しい」というイメージを持っていましたが、実際はやさしい人が多く、わからないことは丁寧に教えてくれます。厳しさよりも温かさを感じました。

○楽しいこと
 日本の自然が好きです。特に佐賀は自然が多く、毎日が楽しいです。あと日本の食べ物はとても美味しいです。

○困っていること
 日本人は遠回しに話される方が多く、直接的に言ってくれないことがあります。私たち外国人にとっては、はっきりした言い方が理解しやすいため、そこに壁を感じることがありました。

○困った際の対応策
 大学時代や就職時に困った時は、先生や周囲の人に相談しました。英語が話せる先生がいて、相談しながら問題を解決できました。

○今後の予定・展望
 現在は業務で土木設計や橋梁点検、災害復旧設計などに携わっています。これからは、指示を待つだけでなく、自分で考え、一人で業務を進められる技術者になりたいと思っています。


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