2025年・夏の特集「九州地方整備局・新事務所長インタビュー」
『建設業界と共に進む』新事務所長が語る思い/佐賀国道事務所長・猪狩名人氏
2025年09月02日(火)
特集記事
人物
災害に備え命を守る道路へ
■佐賀国道事務所長としての抱負
入省35年を経過し、初めて佐賀県で勤務します。
県内唯一の道路系直轄事務所であることから、すべての自治体や関係機関などと連携を図り、少しでも地域のみなさんに喜んでいただけるよう、各事業に取り組んでいきたいと考えています。
何事にも「やれない理由を考える」のではなく、「やれる方法を考える」という姿勢で取り組んでいきたいと思います。
■特に力を入れて推進していきたい事業や解決したい課題
改築8事業、交通安全対策9事業、電線共同溝3事業、7路線233・4㌔㍍のインフラ老朽化・強靱化対策を含む維持管理事業を推進しています。
雨や雪の降り方が変わってきている近年、佐賀県においては大雨時に冠水被害が生じており、現在議論されている治水対策と連携して実施していく必要があります。昨年発生した能登地震や過去の災害時の教訓を生かして、各々の組織が単独で対応するのではなく、情報共有などしっかり連携して取り組むことが重要だと考えています。
災害や降雨、降雪時の通行(復旧・物流)の確保という点で、ダブルネットワークの早期確立や多車線化が重要です。
地震に対しては、橋などが損傷したとしても「人命が失われたり、けがをしたり」しないように取り組む必要があります。そのために、私たちが今できることとして、早期に「事後保全型メンテナンス」から「予防保全型メンテナンス」への転換を図ることが喫緊の課題だと考えています。
- ■地域に根付いて活動する建設事業者への期待やメッセージ
道路インフラの整備や維持管理をしていくことは、大変な仕事だと思います。
整備や維持管理計画を立案するのは私たち道路管理者ですが、最終的に現場で施工する形でバトンを受け取っていただくのも、災害発生直後から現地復旧等にあたっていただくのも、地域建設業のみなさんです。日々ご尽力いただいていることに心より感謝しています。
引き続き、私たちと共に「人の命を守る」ということを前提に、国民生活や社会活動、経済を支える“地域の守り手”としての役割を担っていただきたいと考えています。また、みなさんならではの視点でのご意見やご提案をいただき、共に考え、よりよい取り組みを模索していきたいと思います。