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【2025年度佐賀県内の事業展望】《佐賀地区(佐賀市・小城市)》佐賀県立大学は27年度着工

2025年01月28日(火)

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佐賀県立大学(仮称)の校舎に改修する県総合庁舎

材料試験センターの移転予定地

 佐賀県内の自治体などが計画している主要事業をピックアップした。2025年は、佐賀県が「材料試験センター移転新築」、佐賀市が「東名遺跡ガイダンス・埋蔵文化財センター整備」、玄海町が「町立図書館等複合施設整備」、武雄市が「山内中央公園プール整備」にそれぞれ着工。佐賀県の「県立大学(仮称)整備」、佐賀市の「市立図書館大規模改修」、伊万里市の「国見台公園再整備」、杵藤地区広域市町村圏組合の「新鹿島消防署建設」、鳥栖市の「市民公園整備」などで設計が行われる。このほか、武雄アジア大学(仮称)の設置認可、鳥栖駅東口整備の方向性検討などが実施される。


《佐賀地区(佐賀市・小城市)》


【佐賀地区】佐賀県立大学(仮称)整備


 佐賀県は、佐賀県立大学(仮称)の2029年4月の開学を目指す。県立大学は佐賀市八丁畷町の県総合庁舎敷地に設置する計画で、施設は改修する既存建物(本館)と新設校舎で構成。新設校舎は鉄骨造7階建て・延床面積約1万3000平方㍍を想定している。


 大学の設置場所は、国道34号沿いの県総合庁舎敷地で、敷地面積1万3525平方㍍。鉄筋コンクリート造4階建て・延床面積4205平方㍍の本館を改修し、別館や車庫を解体した上で、新校舎を建設する。


 施設整備のスケジュールとしては、24―26年度に設計を行い、27年度から本館改修および新校舎建設の工事に着手。29年4月から改修校舎を使って学生を受け入れ(開学)、30年4月から新設校舎の利用を開始する予定。


 教育・研究機能を備える新設校舎には▽教室(約5300平方㍍、大講義室、中講義室、小講義室、図書館など)▽教員研究室(約1900平方㍍、学部長室、教員室など)▽管理諸室(約5600平方㍍、エントランスホール、廊下、階段など)▽地域連携センター(約200平方㍍)―を配置し、既存建物にはゼミ、サークル室(約1400平方㍍)、事務・管理諸室(約2800平方㍍)の事務機能を備える。


 事業費は200億円以内に抑える方針。


【佐賀地区】佐賀市大和支所改修


 佐賀市は、佐賀県立大学の整備に伴い、移転が必要となる佐賀中部農林事務所を受け入れるため、大和支所を改修する。改修の内容は2階の間仕切り、内装、空調、トイレの改修、駐車場の増設などで、事業期間は2024―26年度の3カ年を予定。3カ年の債務負担行為(限度額3億8861万円)を設定している。


【佐賀地区】佐賀市立図書館大規模改修事業


 佐賀市立図書館大規模改修事業では、誰にとっても開放的で居心地の良い、家庭や職場以外のゆっくりと過ごせる居場所として図書館を再整備する方針。


 佐賀市は、新しくなる市立図書館の方向性を「訪れる人の体験を豊かにする」発想で、図書館なのに公園みたいに過ごせる場所と設定。新しい体験や、自由にのびのびと気持ちよい時間を過ごせる場所にする。


 新しい図書館は、空間にゆとりをもたせるため、蔵書(42万冊)の開架率を50%に下げ、閲覧室と新しい機能や空間の配置を検討。▽多世代が色々なスタイルで読書を楽しむ▽会話や飲食の新しいルール▽自由に会話でき、コーヒーを飲みながら読書を楽しむルールづくり▽テレワークやグループ学習のスペース▽創作や文化活動のためのスペース―などの機能を盛り込む方針。


 現在の計画では2024―25年度で基本設計、25―26年度で実施設計を行い、27年度から大規模改修工事に着工する予定。大規模改修の基本設計業務は青木茂建築工房・乃村工藝社・poco a bocco・ARP共同企業体が担当している。


【佐賀地区】材料試験センター移転新築


 佐賀県は、佐賀県立大学(仮称)整備に伴い、材料試験センターの移転新築を実施する。同センターの規模は鉄骨造2階建て・延床面積1050平方㍍で、2025年9月から建設工事に着手する予定。


 県は、昨年7月に佐賀市八丁畷町の県佐賀総合庁舎敷地に県立大学を設置すると発表。鉄筋コンクリート造4階建て・延床面積約4200平方㍍の本館を改修し、別館や車庫を解体した上で、新校舎(延床面積約1万3000平方㍍)を建設する。


 このため、県では県佐賀総合庁舎内にある材料試験センターを県工業技術センター(佐賀市鍋島町)の敷地内に移転新築する。


 今後の整備スケジュールは24―25年度に設計を行い、25―26年度に新築工事を実施、26年度中の移転を計画している。建設工期は25年9月から26年6月までを予定している。


【佐賀地区】東名遺跡ガイダンス・埋蔵文化財センター整備


 佐賀市は、東名遺跡ガイダンス・埋蔵文化財センター整備を実施する。同センターは来訪者に国指定史跡の東名遺跡(佐賀市金立町)の価値を正しく、分かりやすく伝えるとともに、市内全域の発掘調査で出土した遺物や調査記録の整理、収蔵、保管、展示公開を行う施設として整備する。


 同センターの整備場所は巨勢川調整池の西側で、敷地面積は8367平方㍍。本館の延床面積は1535平方㍍となり、▽収蔵エリア302平方㍍▽展示エリア363平方㍍▽調査研究エリア181平方㍍▽普及活動エリア107平方㍍▽共用エリア445平方㍍▽管理運営エリア137平方㍍―を設ける。


 本館の南側にはイベント広場約740平方㍍(デッキ含む)、施設前広場約490平方㍍を配置、東側に縄文体験広場約800平方㍍(デッキ含む)を整備する。本館西側に設ける駐車場は普通車48台、大型車3台で計画しており、北側には本館外収蔵庫(延床面積497平方㍍)を設置する。


 今後のスケジュールは2024年度に実施設計や敷地の造成工事を行い、25年度の第3四半期から本館建築工事に着工、26年度末の竣工を目指し、27年度に外構工事を実施する。供用開始は28年度の予定。


【小城地区】廃棄物中継センター管理施設再整備


 小城市は、廃棄物中継センター(牛津町)の管理施設新築などの再整備を計画している。老朽化および安全性低下の問題解消が目的。現時点の総事業費は7億1730万円。


 同施設の現管理施設(鉄骨造平屋建て)は1980年に完成。同センターの敷地面積は7777平方㍍。


 2023年度に循環型社会形成推進地域計画を策定。24年度は施設整備基本計画策定等業務(基本計画、基本設計、PFI導入可能性調査、測量、地歴調査、アスベスト調査等)を実施中。


 25年度は施設整備実施設計等業務(実施設計、地質調査、発注者支援など)を行う方針。これらに要する事業費を2754万円と見込んでいる。26―27年度の2カ年で本体工事、解体工事、工事監理業務、工事監督員支援業務などを計画。事業費は26年度が1億6237万円、27年度が4億8711万円と試算されている。


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