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武田の金、毛利の銀/垣根涼介

2024年11月12日(火)

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武田の金、毛利の銀

  上洛した織田信長に呼び出された明智光秀は、とある任務を下される。数の信奉者である信長は、敵対する大名の財力を把握する必要があった。中でも武田と毛利の資金源である湯之奥金山と岩見銀山の見定めは不可欠である。ただし、そのためには敵地の中枢に潜り込み、金銀の産出量を示した台帳を確認しなくてはならない。見つかれば命の保証はない危険な道中である。光秀は盟友の新九郎と愚息を伴って隠密裏に甲州へ向かう。駿河湾の田子の浦に辿り着いた三人は、そこで土屋十兵衛長安と名乗る奇天烈な男に出会い・・。

 2023年に「極楽征夷大将軍」で直木賞受賞の第一作となる本作品は、歴史小説でありながら現代社会にも通じる人間の業と心理の葛藤を書いた「光秀の定理」「信長の野望」に連なり、騒乱の世で生き抜くために、金銀の流通とその戦略的重要性を掘り下げており、物資の流通、換金手段、経済戦略の要素など価値の本質に迫る、歴史冒険活劇です。


『武田の金、毛利の銀』垣根涼介/角川書店

1,800円(税別)


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乱世、それは欲望と恐怖の狭間。 垣根涼介(長崎出身)


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