新会長、新理事長に聞く~人材確保・育成、生産性向上の取り組み~/佐賀県土木協会・小山田秀雄会長
2024年08月28日(水)
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「発注者と共に問題解決へ」
■人材確保と育成について
具体案を挙げるのが非常に難しい課題だが、まずは私たちが没頭するほど積極的に若者と交わっていくことが必要だと考えている。
若い人材確保のための待遇改善は大切だが、それが本当に若者の希望と合致しているのか分からないときもある。また入職しても長続きしない者が多い。
以前は皆、自分の将来を見通して「あの技術を習得しよう」「あんな仕事をできるようになろう」と目標を持っていたので、多少のきつさや苦しさは乗り越えることができた。しかし今の若者は違うように感じている。バブル崩壊後の厳しい状況しか知らない彼らは夢や希望、目的を持てず、ちょっとしたつまずきや不満を理由に簡単に離職してしまう。
若者としっかりと向き合い、若者を知り、彼らが夢や希望、目標を持って働ける環境とはどういうものか、それを探っていかなくてはならない。そして若者にも建設業がどれほど重要でやりがいのある仕事かを理解してもらうことが大事。災害が激甚化・頻発化していき、建設業は国土保全にも大きな役割を担っている。若者がそうした誇りを胸に励んでいける環境をつくっていかねばならない。
■生産性向上の取組みについて
建設業は受注産業であるため、自分たちで仕事量を完全にコントロールすることはできない。だからこそ発注者との連携が大事と考えている。私たちのことを発注者に知ってもらうとともに、私たちも発注者の仕組みや事情を知り、コミュニケーションを取り合う。そうした関係を前提として、発注時期や工期の平準化、提出書類の削減や簡素化といった問題をともに解決していきたい。