【特別講演】佐賀地方気象台調査官、平松和馬氏/近年の異常気象と豪雨災害に備える/災害発生前に『キキクル』を
2024年06月20日(木)
SAGA建設技術フェア2024
その他
「近年の異常気象と豪雨災害に備える」と題し、佐賀地方気象台調査官平松和馬氏がSAGA建設技術フェアで講演した。
はじめに、世界の気象災害の発生件数を説明した。1970年から2019年までの50年間で約5倍近く増加していることを話し、2023年は、統計が始まってから(1891年以降)最も暑かった年だったと説明した。
近年、日本における大雨の特徴として、息苦しくなるような圧迫感がある(1時間降水量80㍉)雨が全体的に増加傾向であり、統計開始の10年間と最近の10年間では約1・7倍増加している。
大雨が増加している理由の一つとして、温暖化で雨の降り方が変わったことを挙げた。気温が上がると空気中に貯められる水の量が増えることで雨の降る日が減少する一方、降るときは大雨になると説明した。
佐賀県では、標高が高い山間部で雨が多く降り、玄海灘や有明海沿岸付近で少ない傾向であると解説した。
平松氏は大雨警報が発表された時や、強い雨が降ってきた時にはインターネットを使って「キキクル」で検索することを薦めている。「キキクル」で対象の場所を確認し、災害が起こる前に行動することを呼び掛けた。
気象庁は5月28日より、府県単位で線状降水帯による大雨の可能性を半日程度前から呼び掛ける。2029年からは市町村単位で危険度分布形式の情報を半日前から提供する予定としている。