たゆたえども沈まず/原田マハ
2024年05月14日(火)
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誰も知らない、ゴッホの真実。天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと、商才溢れる日本人画商・林忠正。二人の出会いが、〈世界を変える一枚〉を生んだ。1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出す。
ゴッホの生前に売れた絵は1枚だけである。孤独との闘いに光を射し込んだのは日本の浮世絵だった。浮世絵を19世紀のパリでジャポニスムとして価値を高めた林忠正。彼ほど浮世絵の卓越した芸術性を知り、200年にわたる日本版画のすべてを守った者はいない。たゆたえども沈まずとは、激流に身を委ね、決して沈まず、やがて立ち上がる、パリ市の市標である。
原田マハ/幻冬舎
1,600円(税別)
CHECK!
原田マハがゴッホとともに闘い抜いた、アート小説の最高峰、ここに誕生!