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7月豪雨で甚大な被害、インフラと地域を守る建設業 /唐津市は災害復旧費計上

2023年08月24日(木)

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佐賀県管理河川の小川で護岸が崩壊した

道路の路肩が崩落した現場

現地を視察する古川議員(写真中央)

 佐賀県内では、7月の豪雨で道路や河川などの公共土木施設、農業関連施設、林業施設などで甚大な被害が発生した。特に被害の大きかった唐津市は、九州北部豪雨災害への対応として、約21億5000万円の2023年度一般会計補正予算を組んだ。
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■19年、21年の被害額上回る


 県内では、道路や河川、砂防施設、橋梁などの公共土木施設で約611カ所の災害が発生し、被害額は金額ベースで約160億円となった。今回は県北部の山間部での被害が目立っており、19年の佐賀豪雨や21年の大雨の被害額を上回った。
 これを受け、唐津市は、公共土木施設復旧費13億1080万円、農地・農業用施設復旧費6億3600万円、林業施設復旧費1億7650万円などを計上。早急に災害復旧事業に着手する。


■インフラと地域を守る建設業


 地震や台風、集中豪雨などの自然災害で、道路や河川、電気、水道などのインフラに大きな被害が出ると、国、県、市町の職員や自衛隊だけでインフラを復旧することはできない。自治体などは、復旧作業で使用する建設機械を持ち、地元のインフラを知り尽くす建設業の力を借り、災害復旧を進める。
 大規模な災害が発生した直後の混乱した状況でも、インフラをスムーズに復旧できるように、県や市町は建設業の団体と防災協定を締結している。災害発生直後の応急復旧には危険が伴うが、地域とともに生きてきた建設業者は、地元への愛と地域を守るという使命感に突き動かされて防災活動を行っている。
 日頃から防災パトロールなどの活動に取り組み、いざ災害が発生すれば、すぐに復旧作業のための重機を動かす。地域の気候や地形を熟知した地元の建設業者は、郷土愛に根ざした地域貢献の思いと、インフラを通じて我々が地域を守っているという誇りを持って、災害復旧活動に携わっている。


■古川議員が被災地を視察


 佐賀県選出の国会議員で国土交通大臣政務官を務める古川康衆議院議員は7月13日、土石流が発生した唐津市浜玉町平原今坂を視察。「国土交通省としては復旧、復興を視野に入れ、どのような事業ができるか検討する。この地区の住民が、早く安心して生活できる状況にしたい」と話した。


農林水産関係の主な被害状況(7月27日午後2時時点)
農地や農道等(被害額4,612百万円)
区分箇所数被害状況主な市町
農地1,221箇所法面崩壊、土砂流入佐賀市(779箇所)、神埼市(248箇所)ほか10市町
ため池11箇所法面崩壊伊万里市(4箇所)、神埼市(2箇所)ほか4市町
農道350箇所法面崩壊佐賀市(190箇所)、唐津市(84箇所)ほか8市町
その他607箇所水路法面崩壊など佐賀市(399箇所)、神埼市(93箇所)ほか9市町
合計2,189箇所



林地・林道(被害額1,706百万円)
区分箇所数被害状況主な市町
林地76箇所土砂崩れ佐賀市(39箇所)、唐津市(14箇所)ほか6市町
林道337箇所法面崩壊、路肩崩壊神埼市(141箇所)、佐賀市(93箇所)ほか9市町
合計413箇所



漁港施設・海岸
区分件数被害状況主な市町
漁港施設6漁港流木等の漂着佐賀市(3漁港)、唐津市(2漁港)ほか1市町
農地海岸7海岸ヨシ等の漂着佐賀市(3海岸)、白石町(2海岸)、ほか2市町



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