【2023年事業展望】⑤杵藤地区(嬉野・鹿島・武雄)/嬉野市庁舎は24年12月着工へ
2023年01月04日(水)
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■嬉野市庁舎建設/23年度は基本・実施設計
嬉野、塩田の2庁舎体制から嬉野での1庁舎体制に移行する。庁舎建設基本計画の素案で新庁舎は、現嬉野庁舎と市文化センターを併合させた敷地に建設する。2023年度に基本・実施設計。24年の9月から11月に建設発注予定、12月に着工、25年度末竣工を目指す。
嬉野市は、06年に嬉野町、塩田町が合併して以降、旧役場を市庁舎として活用してきた。嬉野庁舎は、書庫となっている地下1階および地上3階建て。1962年に第一庁舎が建てられた。経年劣化による老朽化が進み、81年以前の旧耐震基準で建築されたため、耐震性能も不足している。
新庁舎の基本理念は、「ひと」だけではなく、「自然環境」の視点も欠かせないということから、「すべてのひと・自然にやさしい 安全・安心なうれし舎(や)」に設定。
建設候補地は、基本構想では候補地Aの敷地を第1庁舎および第2庁舎の現嬉野庁舎敷地6800平方㍍と設定していたが、嬉野市文化センターまでを含めた敷地9739平方㍍に設定変更している。
新庁舎の位置は候補地Aの北側に配置する案とし、候補地Bは広場や職員用駐車場等に活用する。
新庁舎の規模は、基本構想では想定延床面積を8000平方㍍程度と算定していたが、将来の人口減少やICT活用による業務の効率化での職員数の減少、効率的なレイアウトや周辺施設の活用により、新庁舎の延床面積を6500平方㍍以下程度とすることを目標にしている。
構造方式は、現時点における新庁舎は4階建てを想定しており、建築費、工事工期などの面で耐震構造を採用した。
事業手法は、発注者の意向を反映させやすく、設計条件等の設定漏れリスクが低い点で優位性のある従来方式として「設計・施工分離方式」を採用している。
本体工事費は36億円を見込んでいるが、資材高騰などにより建築費が増大する可能性があるとしている。
■旧嬉野市体育館等解体/1月末にも入札
嬉野市は、2022年度一般会計12月補正予算で旧市体育館等解体に委託料123万円、工事請負費6306万を計上している。1月末頃に入札、8月頃の完了を見込んでいる。
■肥前鹿島駅周辺整備/23年度は駅舎などの実施設計
鹿島市は、JR肥前鹿島駅舎改築・駅前広場整備事業を計画している。JR肥前鹿島駅周辺整備基本計画を22年6月に策定した。
基本計画によると、▽新駅舎▽現駅舎▽一般車ロータリー▽公共交通ロータリー―の整備は県が担当。鹿島市は▽市営駐車場▽えきまえ広場▽賑わい拠点施設▽駐輪場▽官公バス等駐車場(モビリティスペース)―を担当する。
スケジュールでは、駅舎やロータリーは、2023年度から実施設計を行い、24年度以降に増築工事や復原工事に着手する予定。鹿島市担当のえきまえ広場や賑わい拠点施設などは、24年度以降に実施設計に着手する予定となっている。
同事業は、基本計画、基本設計、利活用計画の策定を同時並行して取り組む必要があり、相互の業務調整やマネジメントを図るため、23年度まで限度額6780万円にて債務負担行為を設定している。
■文化会館の再整備/武雄市、基本計画策定へ
武雄市は老朽化した文化会館の再整備に向けた検討をしている。現在、武雄市新文化施設エリア整備基本計画策定委員会が基本計画の検討を行っている。
市では1994年に文化戦略の中心となる「市民文化の森構想」を策定。その後、図書館の開館や九州新幹線西九州ルートの開業を迎えるなど社会環境が変化している。また、文化会館が築40年以上経過し老朽化が進んでいることから新しく「文化のまちづくり構想」を策定した。
文化会館は1975年に完成したホール棟(SRC造地下1階地上4階建て延べ8530平方㍍)、中央公民館・集会棟・成人棟(RC造2階一部3階建て延べ2320平方㍍)、エネルギーセンター(RC造2階建て延べ629平方㍍)および73年に完成した勤労青少年ホーム棟(RC造2階一部3階建て延べ1159平方㍍)で構成されている。
武雄市は基本計画の策定にあたり、新文化施設エリア整備基本計画策定委員会を全5回程度開催し、基本計画の検討を行うとしている。委員会の開催に加えて複数回の市民ワークショップ、文化団体等への聞き取りなどを総合的に踏まえて、本年度中の基本計画策定を目指す。
委員会では、大ホール長寿命化方針の検討や新文化施設エリア整備計画の検討が意見としてあがっている。