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経産省・国交省・環境省が新たな補助制度創設/3省の連携によりワンストップ利用可能/住宅の省エネ化などを支援強化

2023年01月04日(水)

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住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等

 昨年10月28日に新たな経済対策が閣議決定され、12月2日の参院本会議で可決、成立した。経済産業省、国土交通省および環境省は、住宅の省エネ化を支援する新たな補助制度を創設した。住宅の省エネを強力に推進するため、窓のリフォームによる断熱性の向上や高効率給湯器の導入などの支援を強化する。新たな支援制度は、3省の連携によりワンストップで利用可能としている。


 各事業は、2022年11月8日以降に契約(新築若しくはリフォーム工事に係る請負契約、新築分譲住宅に係る売買契約または高効率給湯器の売買契約の締結等)を行い、申請する事業者が所定の手続きにより事務局の登録を受けた後に着工したものが対象となる。



■住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(経産省・環境省)1000億円


 既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることにより、エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)や、2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(13年度比)への貢献を目的として、窓の高断熱化を促進する。


 補助対象は窓(ガラス・サッシ)の断熱改修工事〔熱貫流率(Uw値)1・9以下等、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるもの等、一定の基準を満たすもの〕で改修に係る費用の一部を補助する。補助額は工事内容に応じて定額(1戸あたり最大200万円を交付。補助率50%相当)


 補助金は、断熱改修工事を行う事業者の申請に基づき、住宅所有者に補助金全額が還元されることを条件に、当該事業者に対して交付。



■高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金(経産省)300億円


 家庭部門の省エネ対策を強力に推進するため、家庭でのエネルギー消費の約3割を占める給湯分野について、消費者等に対し、高効率給湯器の導入に係る費用を補助する。一定の基準を満たした高効率給湯器を導入する際、給湯設備導入者に対して、機器ごとに設けられた定額を交付する。



■こどもエコすまい支援事業(国交省)新築・リフォーム合計1500億


 エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年カーボンニュートラルの実現を図る。


 補助対象と金額は次の通り。


 ▽子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の新築=ZEH住宅(強化外皮基準かつ再エネを除く一次エネルギー消費量▲20%に適合するもの)で延べ面積は50平方㍍以上。補助額は1戸あたり100万円を交付。
 ▽住宅のリフォーム=①住宅の省エネ改修②住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等(①の工事を行った場合に限る)。補助額は1戸あたり上限30万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は45万円で、既存住宅購入を伴う場合は60万円。安心R住宅購入を伴う場合は45万円)


■住宅省エネリフォーム支援強化の対象
工事内容補助対象補助額
①省エネ
改修
1)高断熱窓の設置※1高性能の断熱窓
(熱貫流率(Uw値)1.9以下等、建材
トップランナー制度2030年目標水準値を超えるもの等、一定の基準を満たすもの)
リフォーム工事内容に応じて定める額(補助率1/2相当等)上限200万円/戸
2)高効率給湯器の設置※2高効率給湯器
((a)家庭用燃料電池、(b)ヒートポンプ
給湯機、(c)ハイブリッド給湯機)
定額
(a)15万、(b)(c)5万円
3)開口部・躯体等の省エネ改修工事※3開口部・躯体等の一定の断熱改修、エコ住宅設備(節湯水栓、高断熱浴槽等)の設置リフォーム工事内容に応じて定める額
上限30万円/戸*
*子育て世帯・若者夫婦世帯は、上限
45万円/戸(既存住宅購入を伴う場合は60万円/戸)
*安心R住宅の購入を伴う場合は、上限45万円/戸
②その他のリフォーム工事※3
(①1)~3)のいずれかの工事を行った場合に限る)
住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等

※1   住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(経済産業省・環境省)による支援

※2   高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金(経済産業省)による支援

※3   こどもエコすまい支援事業(国土交通省)による支援



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