特集記事

脱炭素社会の実現に向けて

「ゼロカーボンシティさがし」推進パートナーの取組み③ ~㈱シグマ~ /様々な取り組みで二酸化炭素の排出削減、スマートホームなども提案

2022年08月25日(木)

特集記事

その他

ゼロカーボンシティさがし推進パートナー制度の認定書を持つ香月信夫代表取締役(本社1階の体験型ショールーム)

エコアクション21の事務局長を務める池上敏昭氏

本社の屋上に設置された太陽光発電システム
 佐賀市は、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、20年10月に「ゼロカーボンシティさがし」を表明した。地球温暖化対策(環境)の観点だけでなく、経済や社会の統合的向上に貢献し、持続可能な社会づくりに向けた取り組みを推進する。
 この実現のため、同市は市内に事業所や活動拠点を有する事業者または団体を対象に、推進パートナーを募集。佐賀市のパートナーとして認定し、脱炭素社会の実現に向けて一体となって取り組んでいる。
 建設関連業で推進パートナーに認定された㈱シグマの取り組みを紹介する。


 電気工事業などを手掛ける㈱シグマ(本社・佐賀市鍋島町、香月信夫代表取締役)は、エコアクション21の認証取得を契機に二酸化炭素排出量の削減や車両燃料の節減、太陽光発電システムによる再生可能エネルギーの利用などに取り組んでいる。また、本社1階に体験型のショールームを開設し、音声アシスタント機能の「アレクサ」で照明や設備を操作するスマートホーム(スマートオフィス)の提案も行っている。


 同社では2008年2月にエコアクション21の認証を取得。エアコンなど空調の適温化(夏場28度、冬場22度)の徹底、不在時や昼休みの照明消灯、エコドライブおよび定期的な車両点検による車両燃費の向上、ごみの分別および再資源化、階段利用の促進、ペーパーレス化などで二酸化炭素の排出削減やSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを行っており、22年5月に佐賀市の「ゼロカーボンシティさがし推進パートナー制度」に登録した。


 車両の点検結果や燃料の消費量などは社内のパソコンで管理し、全社員で情報を共有。エコドライブや燃料管理の実績が評価され、佐賀県エコドライブコンテスト2016で最優秀賞を受賞した。


 このほか、4階建ての本社ビルの照明は全てLED照明(約100台)を設置。屋上には10㌔㍗の太陽光発電システム(蓄電池5・6㌔㍗搭載)を導入し、夜間に駐車場の外灯などで使用している。また、16年7月に地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE」にも登録している。


 香月代表取締役は「全社員で取り組み内容を理解し、全員で実践していく必要がある。まだまだ完璧ではないので、PDCAサイクルで課題を探して、課題をクリアするための創意工夫を行う。全員参加型でないと、効果がでない」と話す。

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠
 同社は20年6月に本社1階に体験型のショールームを開設。空間全体にIOT機器が設置されており、音声で照明の点灯・消灯、エアコンの起動・停止などが操作できる。このほか、荷物の受け渡しのためのスマートロッカー、高齢者や動物の見守りシステム、音声で操作するエレベーターなど、様々な用途の設備を体験できる場所となっている。


 香月代表取締役は「コロナ禍で『非接触』という言葉がキーワードになっている。音声で空調や照明を操作すれば、福祉や介護の現場で働く人の負担を減らすことができる。スマートホーム、スマートオフィスは快適な暮らし、快適な職場環境を実現できるシステムだと思う」と話した。


TOP