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脱炭素社会の実現に向けて

「ゼロカーボンシティさがし」推進パートナーの取組み② ~田島㈱ ~ /森林保全でCO2削減、SDGsの一環で廃材アート展示~

2022年08月25日(木)

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協定締結式の様子

協定締結式後の様子
 佐賀市は、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、20年10月に「ゼロカーボンシティさがし」を表明した。地球温暖化対策(環境)の観点だけでなく、経済や社会の統合的向上に貢献し、持続可能な社会づくりに向けた取り組みを推進する。
 この実現のため、同市は市内に事業所や活動拠点を有する事業者または団体を対象に、推進パートナーを募集。佐賀市のパートナーとして認定し、脱炭素社会の実現に向けて一体となって取り組んでいる。
 建設関連業で推進パートナーに認定された田島㈱の取り組みを紹介する。


 住宅リフォーム、水道施設や管工事、LPガス販売などを手掛ける田島㈱(佐賀市水ヶ江6丁目、田島広一代表取締役)は、ゼロカーボンシティさがし推進パートナー制度の認定を受け、自社社屋のガス空調や太陽光発電の活用、会議資料などのペーパレス化、森林保全活動などに取り組んでいる。


 社屋の屋上に12㌔㍗の太陽光発電設備を設置し、災害にも強いガス空調(GHP)も整備。ガスでエンジンが動く非常用発電設備も備えており、災害時には近隣住民のために自社ビルを開放する方針。


 昨年度からはデジタルトランスフォーメーション(DX)化に向けた取り組みを開始。専任の担当者を置き、パソコンやタブレットなどの入れ替え、会議資料などのペーパレス化を進めている。佐賀市の補助事業を使って、社内の事務作業の効率化や顧客との接点強化を目的にDX化をさらに推進する予定だ。


 また、二酸化炭素の削減や美しい環境を子ども達に残すことを目的に、佐賀市と「企業の森林づくりに関する協定」を締結。同市富士町にある市有林約0・4㌶に広葉樹の苗木約800本を植栽し、2027年3月までの5年間、森林景観維持のため、下刈りなどの森林づくり活動に取り組む。

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 同社は創業100周年を迎える今年2月に、社名を田島興産㈱から田島㈱に変更。一昨年からは再生可能エネルギーやジェンダー平等など、持続可能な開発目標(SDGs)に基づく様々な取り組みを行っている。


 社内に「SDGsを考える会」を設置し、会社をリードする組織として様々な情報を収集して社員に発信。SDGs活動の一環として、佐賀市内の福祉事務所にリフォームなどで発生する廃材を活用したアート作品を依頼し、「四季」をコンセプトに障がいのある人たちの作った作品を本社のショーウインドーに展示している。このほか、同会の啓発で、自転車通勤の社員が増えた。


 田島代表取締役は「森林保全やDX化、SDGsの活動など、人や自然環境を守る様々な取り組みを行うことで社員が成長し、社会の役に立てるような会社にしたい。これまで地域の皆さんに支えられて創業100年を迎えることができた。今後はその恩返しとして、安全で快適な住環境づくりを通じて、社会に貢献できる企業を目指していく」と話した。


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