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脱炭素社会の実現に向けて

「ゼロカーボンシティさがし」推進パートナーの取組み① ~㈱中野建設~ /「地球に優しい企業であり続ける」全社員で環境保全に貢献

2022年08月25日(木)

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取り組みと品質維持を両立する同社のアスファルト合材工場

バッテリー式バルーン投光器の使用
 佐賀市は、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、20年10月に「ゼロカーボンシティさがし」を表明した。地球温暖化対策(環境)の観点だけでなく、経済や社会の統合的向上に貢献し、持続可能な社会づくりに向けた取り組みを推進する。
 この実現のため、同市は市内に事業所や活動拠点を有する事業者または団体を対象に、推進パートナーを募集。佐賀市のパートナーとして認定し、脱炭素社会の実現に向けて一体となって取り組んでいる。
 建設関連業で推進パートナーに認定された㈱中野建設の取り組みを紹介する。


 今年で創業104年目を迎えた㈱中野建設(中野武志代表取締役社長・佐賀市)。「地球に優しい企業であり続ける」を経営姿勢のひとつに掲げ、地域と地球の環境保全に貢献すべく全社員がゼロカーボンシティに取り組んでいる。同社が大切にしているのは特別に何かを行うのではなく、通常業務において経営姿勢に則り持続してゆくということだ。


 「建設業務を通じて公共の福祉に貢献する」との創業以来の同社社是のもと、2008年4月に5つの経営姿勢が策定された。その中のひとつが地域と地球の環境保全に取り組む「地球に優しい企業であり続ける」ことである。


 中野社長は「現在、全社的なものや各工事現場などで様々な取り組みを行っているが、これらを持続することが第一」と話す。


 同社ではクールビズ、ウォームビズを実施し、事務所内の温度設定や気温に応じた服装、こまめな消灯を推奨しているほか、工事管理書類の長期保存に関して、従来の段ボールからプラスチックケースへの保管に切り替えた。電子化することで、紙の書類の削減にも努め、止む無く使用するコピー用紙については森林認証紙を使用している。


 各工事現場では廃棄物の適正処理と分別・リサイクルを廃棄物処理法に則って実施し、建設機械に関しては環境に優しい排出ガス規制基準をクリアしたものを使用している。


 また道路舗装など夜間工事時には、使用するバルーン投光器を「燃料発電式」から「バッテリー式」に変更した。さらに電気使用量が少ないLEDテープライトを併用することで、バルーン投光器の台数も抑えている。


 佐賀市内で唯一稼働している同社アスファルト合材工場では、化石燃料や電気使用量を削減する取り組みを実施。特に化石燃料に関しては、合材1㌧の生産に必要な重油使用量を11㍑から9㍑に減らし、年間使用量の100㌔㍑削減に成功している。


 そのほか住宅部門では、性能向上リフォームを通じたCO2排出量削減やZEH住宅の提案と施工を行っているほか、広告媒体としてSNSを活用し、紙資源の節約に努めている。

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 このように様々な取り組みを通常業務の中に生かしている同社だが、この度の推進パートナーの認定は、社員の経営姿勢に則った日常業務が、ゼロカーボンシティを目指す流れにリンクした結果と言える。


 経営姿勢である「地球に優しい企業であり続ける」とは、常に環境改善に対する意識を全社員が持ち、まずは自分たちの身の回り、担当する工事現場やその周辺、そして地域でできる環境保全に取り組んでゆくこと。それはカーボンシティの実現に繋がっていくものだ。


 同社ではこれからも、経営姿勢に則り、環境にやさしいものを取り入れつつ現在の取り組みを持続させていく。
 中野社長は「環境に配慮した製品や機材は日々進化している。これらを率先して利活用することでゼロカーボンシティの実現に向け積極的に取り組んでゆきたい」と今後の展望を語った。


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