特集記事

【SAGA建設技術フェア2022】講演者・発表者紹介

2022年06月09日(木)

特集記事

その他

 SAGA建設技術フェアは、建設分野(土木・建築)の技術・工法・製品などについて産学官における技術情報の交流の場を提供し建設分野の技術開発や新技術導入の促進を図るとともに、高校生・大学生を含む一般の方々に建設業界の魅力や社会資本整備の必要性について理解を深めてもらうことにより、建設産業の発展に寄与することを目的とする。


 主催は(公財)佐賀県建設技術支援機構。新型コロナウイルス感染症により中止が続き、2022年は3年ぶりの開催となる。


 ※ページ下部のPDFに講演者・発表者、内容などの詳細を掲載。



■特別講演


「SAGAサンライズパーク整備について」


▽佐賀県 地域交流部 SAGA2024・SSP推進局 SAGAサンライズパーク整備推進課

 整備担当係長(電気) 東 啓一郎氏/整備担当係長(建築) 市丸雄基氏


 佐賀県では、2024年のSAGA2024国スポ・全障スポ開催を契機として、「SAGAサンライズパーク」の整備を行っています。


 これまでに様々な施設の整備を進めてきており、2021年10月23日には、50m国際基準競泳プールなどを備えた水泳場「SAGAアクア」がオープンしました。また、2022年5月26日には、SAGA2024の総合開会式が行われる日本陸連第1種公認陸上競技場「SAGAスタジアム」がリニューアルオープンしました。


 現在は、約8,400席の観客席を備えた九州最大級の多目的アリーナである「SAGAアリーナ」や、県産材を使用したウッドデッキのオープンテラスで飲食などを楽しむことができる「パークテラス」、パーク内の施設や佐賀市文化会館を繋ぐ遊歩道(ペデストリアンデッキ)の工事、外構工事や周辺道路等の整備などを進めており、いよいよ、来年春にグランドオープンを迎えます。


 SAGAサンライズパークは、ここから新たなまちづくりやライフスタイルが始まり、佐賀を光り輝かせていくという想いを込めて、「日の出」という地名にちなんで名付けました。


 スポーツを「する」楽しみ、「支える」喜び、さらに「観る」感動など、それぞれのスタイルでスポーツを楽しむことができ、また、スポーツだけでなく、コンベンション、文化芸術、産業、国際交流など様々なシーンを実現することで、宿泊、観光、飲食などへの波及効果を生み出し、佐賀の未来を切り拓く「さが躍動」の象徴的なエリアにしたいと考えています。


 本講演では、本整備事業の概要、主要施設の特長などを紹介します。




「九州地方整備局におけるインフラDXの取り組み」


▽国土交通省 九州地方整備局 企画部 インフラDX推進室 係長 猪井知明氏


 九州地方整備局ではインフラ分野のDXを推進するにあたり、推進体制の強化を図るため、令和3年4月1日に企画部長をトップとするインフラDX推進センター及び建設情報・施工高度化技術調整官をトップとするインフラDX推進室を設置しました。


 令和3年4月よりインフラ分野におけるデジタル技術の建設現場での活用について、生産性向上や働き方を変革することに寄与する技術開発や現場実装に向けた検証などに取り組んできましたが、今回はそれらのうち2つの取り組みについて紹介します。


 1つ目は、上空からドローンや360°カメラを用いて現地を死角なく全方位確認することが出来る360°画像を用いて、複数の360°画像をリンクで繋ぐことで、広範囲の現地の状況を網羅的に把握することが出来る「スカイバーチャルツアーの活用」の取り組みについて紹介します。


 2つ目は、ゲームエンジンを用いて3次元の仮想空間上に河川の整備後の姿を構築し、実際に整備後の現地に入り込んだように仮想空間を体験することで、整備計画の地元関係者の皆様などとの合意形成に「メタバース(仮想現実)」を活用した取り組みについて紹介します。
 今回紹介する取り組みについては、九州地方整備局が取り組んでいる技術の一部であり、スマートフォンを用いた点群計測やクラウドを用いた点群処理・共有等の技術なども紹介し、講演をご覧になられる方に幅広く活用していただきたいと考えています。




■技術者発表


「建設業界の魅力」


▽佐賀県 佐賀土木事務所 街路公園課 主査 三根達也氏


 大学を卒業し、今年で入庁8年目になります。これまでに、東部土木事務所では吉野ヶ里歴史公園の事業を一部、まちづくり課公園担当では森林公園の事業や市町事業の支援・予算のとりまとめ等を担当し、そして現在は佐賀土木事務所にて佐賀城公園の事業を担当させていただいています。公園業務に多く携わらせていただいた経験から、当日の講演では、公園業務の事例を交えて、現在行っている業務の紹介や若手技術者として日々感じていることなどをお話できればと思います。


▽佐賀県 東部土木事務所 工務第一課 工務第二担当 主任主査 小野盛一氏


 大学を卒業して民間の建設業者で5年間働き、転職して県庁での勤務が11年目になります。民間業者では、大規模な公共事業に携わり、県庁でも道路・河川など様々な事業を経験させていただきました。これまでの経験で、実際に自分が感じたこと、発注者・受注者それぞれの目線での建設業界の魅力を伝えることができたらと思います。また、転職により変化した私生活面など違った視点からもお話しできたらと思います。


▽佐賀県 唐津土木事務所 工務第一課 工務第一担当 技師 田中陸人氏


 工事発注から監督員業務をはじめ、地元交渉や災害対応等、多岐にわたる土木系技術職員の仕事の中から、私自身が入庁後一年間で体験したことを紹介しながら、仕事のやりがいや建設業界の魅力についてお伝えします。これから就職を控えた学生の方への土木系技術職員の業務紹介が主な題材となりますが、先輩技術者の皆さまにも若手技術者の仕事内容・考え方の変化をお伝えできれば幸いです。


▽佐賀県 伊万里土木事務所 工務課 工務第二担当 主任主査 西村仁志氏


 大学時代に都市計画に興味を持ち、県庁技術職員として13年目になりました。この間、道路、河川、街路公園等、様々な分野の業務を経験してきました。その中で私は、現在置かれている技術職員の立場や公共事業としての予算の低迷下、インフラ需要を把握し、これから技術職員として求められる事は何なのか、どうあるべきかを考える事が重要であるという結論に至りました。この講演を通じて、皆さまのお役に立てればと思います。



「みんなのくらしを守るダム~経験したことのない大雨に備える佐賀県独自のダム運用~」


▽佐賀県 県土整備部 道路課 地方道担当 主査 三瀬 志帆美 氏


 全国的な水害の激甚化を踏まえ、佐賀県でも、事前放流など既存ダムを最大限活用し、洪水被害を軽減させるための取組が必要となっています。事前放流を効果的に行うには、正確な流入量予測や、必要な洪水調節容量を速やかに確保するための大規模放流設備等が必要です。しかし、佐賀県管理ダムは、小規模で流入量予測が難しいうえに、大規模放流設備がないダムがほとんどでした。そこで、出水期間中、常に1m程度貯水位を低下させておく『期別の貯水位低下運用』を行うこととしました。予め貯水位を低下させておくことから、小規模放流設備でも実施可能な操作であるとともに、予測困難な降雨においても効果が期待されます。昨年の8月豪雨では、全13ダムの内3ダムで洪水調節容量を使い切る事態が予測されましたが、運用の効果もあり、結果的に回避することができました。


 経験したことのない大雨からも、命とくらしを守るため、佐賀県管理ダムが行っている取組について紹介します。


■学生研究発表


「将来展望と研究発表」

▽佐賀大学大学院 理工学研究科 理工学専攻 都市基盤工学コース 溝上 哲平 氏

 佐賀県六角川を対象とする解析ソフトウェアを用いた過去水害の再現、および解析結果を踏まえた治水対策の検討。


▽佐賀大学大学院 理工学研究科 理工学専攻 建築環境デザインコース 大屋 貴芸 氏

 3つの歴史的町並み景観を構成する伝統的な建物の特質を、建物の画像を用いた機械学習で明らかにする試み。




【PDF】SAGA建設技術フェア2022(特別講演)

【PDF】SAGA建設技術フェア2022(技術者・学生発表)


TOP