【2022年度佐賀県内事業展望】④鳥栖・神埼・吉野ケ里地区
吉野ケ里町庁舎、28年度開庁へ/健康スポーツセンター建設、事業再開へ
2022年01月04日(火)
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【神埼市・北部丘陵土砂採掘場跡地利活用】
神埼市は2021年度9月補正予算で、同市北部丘陵地帯(三谷・志波屋・小渕)における土砂採取場跡約30㌶の整備事業に伴う地形測量業務委託料など7906万円を計上した。当該跡地には、すでに敷地面積約6㌶の神埼市・吉野ヶ里町葬祭場「和の社」が、2020年9月に完成しており、本事業では、葬祭場敷地外の残り約24㌶を整備する。
当該跡地は、業者の廃業により未整備のまま放置され、土砂災害の危険などがあることから、各区長および跡地対策委員会(各区代表で構成)が、11年6月に整備要望を市に提出した。
その際、防災の観点から整備を求めるだけでなく、当時、市が建設地の選定を進めていた葬祭場の建設を、当該跡地で容認する旨の提案がされた。
これを受けて、市は祭儀場を含め当該跡地の一体整備を進めることを決定したが、予算の関係上、国の助成事業である葬祭場整備を優先させ、先行する形で「和の社」が完成することになった。
当該跡地の地権者は約85人で、そのうち8割は神埼市に在住しているが、相続登記をしていない土地も存在している。市は葬祭場建設と並行する形で、司法書士による相続説明会などを開き、相続の後押しをすることで、用地取得の前準備を進めている。
当該跡地は、登記上の畑は存在するが、実際はほとんどが山林であり、現時点で計画されている具体的な事業はない。市は測量調査により、可能な事業を見極め、利活用計画を策定したいとしている。
測量調査業務は本年3月までには完了する見込み。今後は実施設計費を22年度6月補正予算以降に計上し、利活用に向けて住民意見も取り入れるべく、検討委員会の設置を行う予定。早ければ22年度中には用地取得交渉に入る。
【吉野ケ里町統合庁舎整備】
吉野ヶ里町は本年度、「統合庁舎および中心地づくり基本構想」を策定した。分庁体制の同町だが、施設老朽化のため、統合庁舎の整備とそれを新たな核とした中心地への機能集約を推進する。
スケジュール案では、統合庁舎の開業予定を2028年としており、現在は検討委員会を立ち上げ、基本計画の策定を進めている。先駆けて整備される施設は庁舎、図書館、コミュニティセンター(公民館)の3つ。建替えの必要性や町の問題点、町民ニーズなどから選定されている。
21年12月時点での施設の想定規模は、統合庁舎が延床面積3960平方㍍程度。図書館が蔵書冊数10万―15万冊程度で延床面積1537平方㍍以上(同規模図書館との比較で算出)。コミュニティセンターが1700平方㍍程度となっている。
中心地の適地選定に関しては、三田川庁舎と脊振庁舎の間に位置し、駅へのアクセスにも優れた国道385号の東側エリアを候補に、選定を進めていくことにしている。
事業手法に関しては、従来方式やDB方式・DBO方式、PFI方式などが想定され、民間の活用も視野に来年度以降、比較検討を行う。
スケジュール案は21年度の基本計画策定、22年度の事業手法検討、28年の開業は事業方式による違いはないが、従来方式を採用した場合は▽23年~24年に基本設計・実施設計▽25年~26年に建設▽27年に運営準備―となる。
DB方式・DBO方式、PFI方式の場合は▽23年~26年前半に事業者選定▽26年後半~27年に事業者が設計、建設、運営準備を行う―となっている。
このほか必須ではないが、将来的には健康福祉センター、中学校、保育園、防災食育センターなどの建設も検討していくとしている。
【(仮)健康スポーツセンター建設】
鳥栖市は、2018年の共用開始を目指し、(仮称)健康スポーツセンター建設を計画していた。本事業は実施設計まで実施していたが、新庁舎建設などとの兼ね合いで現在は延期中となっており、25年度の事業再開を予定している。
事業内容は現市民プール北側に屋内温水プールを建設するほか、夏季利用限定の野外子ども向けプールを設置するというもの。
16年に市が公表した概要によれば、屋内施設は2階建て、延床面積3286平方㍍。1階に25㍍温水プール、幼児プール、ジャグジー、更衣室、シャワー室、トイレ、事務室などを配置する。2階にはトレーニングルーム、スタジオを設ける。
野外施設は、スライダープール、幼児プール、屋外専用更衣室、シャワー室、トイレを整備する。現在の市民プールは解体し、駐車場として整備する。
事業費に関しては、16年時点で18億円を見込んでいたが、資材の価格変動などもあり、現時点では未定。設計などに関しては、前回の設計をベースに今後変更を加える可能性があるという。