【2022年度佐賀県内事業展望】③杵藤地区(嬉野・武雄・鹿島)
嬉野市庁舎は基本設計、駅周辺整備も
2022年01月04日(火)
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【嬉野市庁舎建設】
嬉野、塩田の2庁舎体制から嬉野での1庁舎体制に移行するとした嬉野市庁舎整備基本構想では、2024年度の着工を目指す。
嬉野市は、06年に嬉野町、塩田町が合併して以降、旧役場を市庁舎として活用してきた。嬉野庁舎は地下1階および地上3階建てで、1962年に第一庁舎が建てられた。経年劣化による老朽化が進み、81年以前の旧耐震基準で建築されたため、耐震性能も不足している。
新庁舎建設位置として基本的な考え方は、▽防災拠点としての安全性▽市民の利便性▽現実性と経済性▽将来のまちづくりの発展―としており、候補地は「現嬉野庁舎」または「現嬉野庁舎に隣接する公会堂などの敷地」もしくは、その両方を検討している。
また、現庁舎に隣接する公会堂や公民館、勤労者福祉研修所は2023年度までに解体予定となっている。
事業手法として「従来方式」や、設計、施工を一括で性能発注する「DB方式」およびPFI事業者が資金調達から運営まで行う「PFI方式」などが考えられている。
敷地面積や候補地は、基本計画策定の際に決定するとしている。
村上大祐市長は2月までの任期中、基本構想について議会への提案を行わないとしている。
今後のスケジュールは、基本計画を策定後、22年度に基本設計を経て23年度に実施設計、24年度から着工、26年度から供用開始を目指している。
【西九州新幹線嬉野温泉駅】
駅西口側の整備計画は、集中型の施設整備ではなく、市内各地の観光へ行く際の拠点として、情報発信機能を持つ観光文化交流センターやホテルなどを国、市、民間でそれぞれ手掛ける。
観光文化交流センターは、約2㌶のうち約1・6㌶は「道の駅」として登録を目指し、国交省と協議中。市と国の施設は、同駅の開業までに完成予定。民間部分はホテルが23年夏頃の開業を、飲食や物販施設は駅開業後を含め順次オープンを目指す。駅周辺整備のイメージ動画が市のサイトから視聴できる。(https://www.city.ureshino.lg.jp/sangyo/keikaku/U-spo.html)
【宿泊特化型ホテル計画】
積水ハウス(大阪市)と米ホテル大手マリオット・インターナショナルは、2022年秋に開業する嬉野温泉駅付近に、レストランを併設しない宿泊特化型のホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・佐賀嬉野温泉」を計画している。開業は23年夏頃を目指している。
両社は全国の道の駅周辺に、宿泊特化型の「フェアフィールド・バイ・マリオット」を展開しており、22年3月までに6府県15カ所をファーストステージとして展開中。セカンドステージとして、23年秋までに嬉野市など8道県14カ所でオープンを予定。客室は、概ね大人2人利用で1室約25平方㍍程度としている。
佐賀嬉野温泉ホテルは、延べ床面積3400平方㍍、4階建て客室数84のホテルを計画している。
本事業は、18年11月に旗揚げし、現在26道府県の自治体、44社のパートナー企業と事業連携を進めており、20年10月からホテルを開業している。25年には26道府県にて約3000室規模への拡大を目指している。
【「神泉閣」跡地に宿泊施設】
九州旅客鉄道㈱(本社・福岡市博多区、JR九州)は、嬉野市嬉野町の旅館「神泉閣」跡地で宿泊施設を開発する。2022年秋頃に開業する九州新幹線西九州ルートとの相乗効果を図るのが狙いで、23年度中の開業を目指す。
開発地は嬉野市嬉野町大字下宿字三反角丙2400番25他16筆で、旅館「神泉閣」の跡地(源泉2カ所を含む)。敷地面積は約9565平方㍍となり、21年7月に購入している。用途地域は商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)となる。
嬉野温泉バスセンターから徒歩3分、長崎自動車道嬉野ICおよび西九州新幹線嬉野温泉駅から車で5分程度の好立地で、敷地内に豊富な湯量を持つ源泉が存在するため、全室100%源泉かけ流し風呂付きの施設を計画。嬉野の大きな魅力である「温泉」と「お茶」をコンセプトにした宿泊施設の開発計画を策定する。
武雄市は老朽化した文化会館の再整備に向けた検討をしている。現在、文化のまちづくり構想調査研究業務を行っている。
市では1994年に文化戦略の中心となる「市民文化の森構想」を策定。その後、図書館の開館や九州新幹線西九州ルートの暫定開業を控えるなど社会環境が変化している。また、文化会館が築40年以上経過し老朽化が進んでいることから新しく「文化のまちづくり構想」を策定する。
【文化会館の再整備検討】
文化会館は1975年に完成したホール棟(SRC造地下1階地上4階建て延べ8530平方㍍)、中央公民館・集会棟・成人棟(RC造2階一部3階建て延べ2320平方㍍)、エネルギーセンター(RC造2階建て延べ629平方㍍)および73年に完成した勤労青少年ホーム棟(RC造2階一部3階建て延べ1159平方㍍)で構成。
調査研究の成果を踏まえ、建て替えや改修など再整備の方向性を決める。
【肥前鹿島駅周辺整備】
鹿島市は、JR肥前鹿島駅舎改築・駅前広場整備事業を計画している。
肥前鹿島駅周辺整備全体構想を21年11月25日に策定した。西九州新幹線の暫定開業が今年秋に迫っており、整備事業を速やかに着手するために基本計画・基本設計などの策定を行う。
基本計画、基本設計、利活用計画の策定を同時並行して取り組む必要があり、相互の業務調整やマネジメントを図るため、2023年度まで限度額6780万円にて債務負担行為を設定している。
同市は基本計画および設計を22年度末までに策定。その後、詳細設計を策定するとしている。