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【2022年度佐賀県内事業展望】①佐賀・唐津地区

佐賀地裁・家裁庁舎、唐津市民会館改築、23年度着工

2022年01月04日(火)

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施設改修を行う市村記念体育館

佐賀市の東名遺跡・埋蔵文化財センターの整備予定地(佐賀市金立町)

解体工事が進む唐津市民会館
 佐賀県内の自治体などが計画している主要事業をピックアップした。2022年度は唐津市西部学校給食センターの建設工事に着工。また、多久市と小城市が共同で事業を進めている新公立病院の実施設計も始まる。このほか、庁舎整備事業では、嬉野市庁舎が基本設計、吉野ケ里町庁舎が事業手法の検討に着手する。






【佐賀地裁・家裁の新庁舎建設】

 佐賀地方裁判所と佐賀家庭裁判所は、佐賀市中の小路の地裁庁舎および家裁庁舎を現地改築する。両庁舎を統合する予定で、新庁舎の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階、地上5階建て・延床面積約8600平方㍍を想定。23年度から新庁舎建設に着工、26年度の完成を目指す。総工費は約51億円を見込んでいる。
 現在の地裁庁舎は鉄筋コンクリート造3階建て・延床面積4141平方㍍(1965年建築)、家裁庁舎は同・延床面積1904平方㍍(66年建築)で、同一敷地の南側に地裁庁舎、北側に家裁庁舎が建っている。いずれも建築から50年以上が経過し、老朽化が進んでいるため、現地での建て替えを計画している。
 新庁舎は一つの建物に地裁、家裁、簡裁の3裁判所を集約する方針で、延床面積は現在の1・4倍の約8600平方㍍となる。現在の家裁庁舎駐車場に仮庁舎を建設し、家裁庁舎と接続。新庁舎は現在の地裁庁舎のある場所に建設する予定。
 現在の計画では21―22年度に新庁舎の設計、仮庁舎の建設工事(松尾建設㈱が施工)、地裁庁舎の解体工事を行い、23―25年度で新庁舎を建設、入居完了後の25年度に仮庁舎、家裁庁舎の解体工事を実施する。26年度は外構工事を予定している。


【市村記念体育館改修】

 市村記念体育館は、リコー三愛グループを創設した市村清が1963年に建設し、佐賀県に寄贈した施設。老朽化などに伴って改修する計画で、文化・芸術施設が集積している城内エリアに立地する同体育館を文化・芸術体験および創造的活動の拠点として整備する方針。
 施設の整備内容は、老朽化対策や耐震性向上、ユニバーサルデザインへの対応を図るため、外観や内装、設備などの改修工事を実施し、提供するコンテンツを想定した最先端のネットワーク回線を整える。
 整備スケジュールでは21年度から利活用設計や耐震設計に着手し、22年度末に設計業務を終える見通し。その後、23年度から25年度の3カ年で利活用・耐震工事などを行う。


【好生館の病棟増築】

 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館(佐賀市嘉瀬町)は、現在の病棟の北側に新病棟を増築し、救急医療や災害時医療機能の充実を図る。現在、基本設計(㈱日建設計が担当)を行っており、25年度の工事完了を目指す。
 同計画では、既存病棟の北側に鉄骨鉄筋コンクリート造3階建て(制震構造)・延床面積約4700平方㍍の新病棟を増築し、既存病棟も改修した上で、渡り廊下で接続する方針。整備スケジュールは、基本設計に引き続き実施設計を行い、増築工事に着工し、25年度の工事完了を目指す。


【東名遺跡・埋蔵文化財センター整備】

 佐賀市は、東名遺跡・埋蔵文化財センター整備事業を実施する。現在の計画では24年度から施設の建築工事などに着工し、26年度の開館を目指す。
 同事業では国指定史跡の東名遺跡(佐賀市金立町)について、来訪者に遺跡の価値を正しく、分かりやすく伝えるために、同遺跡の隣接地にガイダンス施設を整備する。また、ガイダンス施設は市内全域の発掘調査で出土した遺物や調査記録の整理、収蔵、保管、展示公開を行う埋蔵文化財センターの役割も担う複合施設とする。
 整備場所は巨勢川調整池の西側で、敷地面積は約8000平方㍍。基本計画の段階では施設の規模を約2000平方㍍としており、施設内に展示室、体験学習室、多目的室、整理調査室、収蔵庫などを設置する。また、敷地内には駐車場、施設外収蔵庫、屋外体験・フリースペースなどを整備する予定。詳細については今後の設計段階で決めていく。
 現在の計画では22年度に建築基本設計、造成設計を終え、造成工事や展示基本設計を実施。23年度に建築実施設計、展示実施設計などを行い、24―25年度の2カ年で建築工事を施工する予定。

【唐津市民会館の現地改築】

 唐津市は、唐津市民会館を現地改築する。新しい市民会館の延床面積は約7290平方㍍とし、800人収容の大ホールやリハーサル室、練習室、曳山展示場などを設ける。現在、改築設計(久米・坂本・平野設計共同企業体が担当)を行っており、23年度から建設工事に着工する予定。
 1970年に建設された唐津市民会館(同市西城内6の33)は鉄筋コンクリート造4階建て・延床面積7936平方㍍で、建設から49年が経過して耐震不足や設備の老朽化が進行しているため、現在地で改築する。また、併設の曳山展示場についても市民会館改築と合わせて整備を行う方針。
 延床面積は7290平方㍍とし、内訳は▽大ホール(市民会館部門)2400平方㍍▽リハーサル室、練習室(同)400平方㍍▽曳山展示場部門1260平方㍍▽共用・管理部門530平方㍍―を想定している。
 現在の計画では21年度から基本・実施設計に入り、23年6月頃から建設工事に着工。25年10月の開館を目指して工事を進める。


【西部学校給食センター整備】

 唐津市は、西部学校給食センター(仮称)整備事業を実施する。21年度に実施設計(㈱松田設計が担当)などを行っており、現在の計画では22年度から施設建設工事に着工、23年9月の供用開始を目指す。
 同事業では老朽化した肥前、鎮西、呼子の各給食センターおよび自校給食施設を統合し、新たに給食センターを整備する。建設予定地は唐津市鎮西町打上の旧打上中学校グラウンドで、敷地面積は約1万2892平方㍍となる。
 給食エリアは肥前、鎮西、呼子(離島除く)、唐津(北部・西部)の24小中学校となり、最大食数6000食を設定。施設の規模は鉄骨造2階建て・延床面積約3193平方㍍を想定している。


【唐津市鏡中学校改修】

 唐津市は、鏡中学校改修事業を実施する。事業期間は25年度までの5カ年で、順調に進めば24年度から工事に着工する見通し。
 同中学校(同市鏡1136番地)は建築後39年以上が経過して老朽化が進んでおり、生徒の増加で教室不足も見込まれるため、既存校舎の改修(間仕切り壁の撤去や部屋の配置換え)、エレベーター棟や教室棟(必要最小限)の増築などを行う予定。鉄筋コンクリート造3階建ての既存校舎は管理棟、教室棟、特別教室棟で構成しており、延床面積は5090平方㍍(管理棟2730平方㍍、教室棟1742平方㍍、特別教室棟618平方㍍)となっている。
 現在の計画では、22年度に増築工事の基本および実施設計、エレベーター棟増築工事の実施設計(大規模改造基本設計含む)、用地測量、地質調査、23年度に仮設校舎建設を行い、24―25年度の2カ年で校舎改修、増築工事、外構およびグラウンド工事を施工する予定。






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