【SAGA建設技術フェア2019】女性技術者講演 /「建築と私」 /満原建設㈲ 満原早苗氏
2019年06月20日(木)
特集記事
その他
女性技術者講演では、女性技術者から見た建築の魅力について、白石町の満原建設㈲内にある一級建築士事務所スムコト設計の満原早苗氏が「建築と私」をテーマに講演した。
満原氏は、父親が大工で小さいころから家づくりに関わる職人に囲まれて育ち、中学生の時に業界に興味を持ったことを紹介。大学卒業後、工業高校の講師として2年半働き、その時に一級建築士の資格を取得、NPO法人循環型たてもの研究塾勤務を経て、30歳の時に実家に戻り、スムコト設計を設けた。
建築は▽命と財産を守る入れ物▽まちを構成するもの▽人の暮らし方を決めるもの―と考えており、「建物と人を仲良くしたい」という思いで設計を行っている。
そのきっかけになったのが、NPO法人で働いていた時の経験で、古民家改修工事で土壁を塗っていた時に見つけた1本の芽から種もみを育て、数年後に米や土壁の材料となるワラを収穫した。この経験で人の暮らしと建築が密接に関係しており、建築と人が仲良くなることをコーディネートするのが設計の仕事だと改めて気づき、設計の仕事が楽しく、やりがいを感じるようになった。
このほか、満原氏は熊本地震の応急危険度判定活動、佐賀のクリークでカヤックに乗る活動、建築士会女性建築士の活動、林業女子会、高校生の企画甲子園のアドバイザー、白石町観光推進協議会のワーキングチームなど、建築の仕事以外でも様々な活動に参加しており、その時の感想や体験談を紹介した。
最後に「建築業界は人手不足といわれ、私も実感しているので、同じ気持ちで仕事ができる仲間を作り、次の世代に繋げていくことも考えないと本当に間に合わなくなる。今から先はこういうことにも目を向けてやっていきたい。7月に工業高校生が3日間インターンシップに来てくれるので、その時に私がやっていることや、建築の魅力を伝えていくのが一番近い私の目標。一つ一つそういうことを積み重ねていきたい」と話した。