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2019年度 佐賀県内主要事業 /SAGAサンライズパーク 19年度着工、概算事業費370億 /

2019年01月01日(火)

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その他

SAGAサンライズパーク(仮称)の整備イメージ

市営高野小原住宅を整備するイベント広場

唐津市新庁舎イメージ

移転先のからつ農業協同組合厳木選果場跡地

脊振町複合施設鳥瞰イメージ

 佐賀県内の自治体などが計画している主要事業をピックアップした。佐賀県が整備するSAGAサンライズパーク(仮称)整備(佐賀市日の出)では、2019年度からSAGAアリーナ(仮称)をはじめ、水泳場や陸上競技場、付帯整備の工事に着工する方針。鳥栖市新庁舎建設も19年秋以降の着工を想定しており、唐津市本庁舎建設では資材や人件費の動向を踏まえながら発注時期を検討している。



■SAGAサンライズパーク(仮称)整備事業


 佐賀県は2023年開催の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を見据え、SAGAサンライズパーク(仮称)整備事業を推進する。同整備の施設計画では、整備の全体イメージや施設配置計画、動線計画、施設毎の計画などを提示しており、アリーナ新設、水泳場や陸上競技場など既存施設の再整備、パーク全体の付帯整備などを実施する。


 SAGAアリーナ(仮称)は鉄筋コンクリート造(屋根は鉄骨造)4階建て・延床面積2万9800平方㍍で、メインアリーナとサブアリーナで構成。メインアリーナについては約8400席(固定約6300席、可動約2100席)を設け、センターコート(バレーボール、バスケットボール)での利用を想定。床面がポータブルフロア仕様となり、コンサートやイベントにも使用できる。サブアリーナは2階建てで、座席数は約450席となる。19年度から新築工事(19年秋から工事の入札手続きに入り、19年内に着工予定)に着工する予定。


 改築する水泳場〔SAGAアクア(仮称)〕は屋内50㍍プールと飛び込みプールを設置。50㍍プールは鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造2階建て・延床面積8900平方㍍で、観客席数は約1800席となる。10レーンで、レーン幅2・5㍍。水深0―3㍍の可動床となり、競泳や水球、アーティスティックスイミングなどの競技ができる。飛び込みプールは5㍍、7・5㍍、10㍍の飛び込み台を設ける予定で、水深5㍍(最深部)。座席は約300席となり、屋内トレーニング施設も設置する。19年秋頃着工予定。


 陸上競技場〔SAGAスタ(仮称)〕については国スポ開催に必要な基準で▽走路改修(全天候舗装の全面改修、トラックの9レーン化など)▽雨天練習場の新設▽照明設備改修(必要な照度の確保およびLED化)▽諸室の増設―などを行う。雨天練習場の新築工事には19年度末に着工する予定。


 また、付帯整備として、2階部分でこれらの施設をつなぐペデストリアンデッキを設置。人と車の動線を分離し、デッキ上を利用した賑わい空間を設ける。デッキ下にはテナント棟を整備する。付帯整備にも19年度末着工予定。


 基本設計時の概算事業費(本体工事費のみ、設計費および備品費除く)は全体で約370億円を見込んでおり、内訳は▽アリーナ整備約150億円▽既存施設の再整備(陸上競技場、水泳場、補助競技場、庭球場、総合体育館など)約160億円▽パーク全体の付帯整備(ペデストリアンデッキ、外構など)約60億円―となっている。



■佐賀県食肉センター再整備


 佐賀県は、老朽化などが課題となっている県食肉センター(多久市南多久町下多久)の再整備を実施する。同整備では牛肉の海外市場への販路拡大や販売促進を図るため、牛専用施設の新設と豚専用処理施設の改修を実施する。両施設ともHACCPを基本とした高度な衛生管理に対応しており、現在の食肉センター西側に敷地を造成して牛専用処理施設を新設し、同センターを豚専用処理施設として改修する。


 施設規模は牛専用施設が鉄骨造2階建て・延床面積約5800平方㍍、豚専用施設が鉄筋コンクリート造地上1階、地下1階建て・延床面積約4700平方㍍となる。基本設計は㈱九州総研が担当した。


 県では19―20年度の2カ年で敷地約2万3700平方㍍を造成し、21年度から牛専用施設の新築と豚専用施設の改修工事の一部に着工する。稼働時期は牛専用施設が21年度、豚専用施設が22年度を予定している。


 概算工事費は牛専用施設が31億9000万円(建築12億9000万円、設備19億円)、豚専用施設が14億円(建築3億1000万円、設備10億9000万円)を見込んでいる。



■武雄市営高野小原住宅建替え


 武雄市北方町志久にある高野住宅(16戸)と小原住宅(54戸)は老朽化が進んでいるため、市では入居者の利便性向上、管理体制などを考慮し、移転改築する方針。


 移転先は北方小学校の南側市有地(イベント広場)で、全体の約3分の2程度を使用する。現在は更地となっており、市営住宅の有効敷地としては約6000平方㍍を想定している。


 新設する住宅は鉄筋コンクリート造5階建ての2棟となり、延床面積は13年度に完成した市営和田住宅をモデルに計算すると、4000―4500平方㍍程度となる見通し。


 現在、基本および実施設計(㈱原田設計が担当)を行っており、18年度内の完了を目指す。順調に進めば、19―20年度に住宅建設を施工し、21年度に既存住宅を解体する予定。




■唐津市本庁舎建設


 建設地は既存市役所の敷地内(唐津市西城内1番1号)で、敷地面積は1万6012平方㍍。規模は鉄骨造(免震)7階建て・延床面積1万6517平方㍍(建築面積3187平方㍍)となり、機械式駐車場と議会棟跡地に新庁舎を建設する。


 フロア構成としては1―2階に窓口部門を効果的に配置し、3階には防災機能と庁舎内の総合管理部門を設置。4―5階は執務ゾーン(都市整備部、財務部、農林水産部、水道局など)となり、6階には議会機能やラウンジ、テラス、7階に機械設備などを配置する。


 敷地内には新庁舎のほか、新庁舎北側に機械式駐車場を整備し、新庁舎東側には、お祭りやイベントの開催、災害時の駐車場としての活用を想定した(仮称)にぎわい広場を設置する。


 同市では、2018年度末に同事業の実施設計を終える見通しで、合併特例債の期間延長や東京オリンピック開催に伴う資材および人件費の高騰などを踏まえ、本体建築工事などの発注時期を検討する方針。



■厳木市民センター庁舎建設


 1965年に旧厳木町役場として建築された厳木市民センターの庁舎は老朽化しており、からつ農業協同組合厳木選果場跡地(同市厳木町中島1393の1他)に移転改築する。移転先の近くに厳木コミュニティセンターや厳木町老人憩の家、厳木町保健センターが立地しているため、新庁舎には公民館機能や保健センター機能を加える方針。


 移転先の敷地面積は4884平方㍍(別途、歩道約333平方㍍)で、複合施設、駐車場、広場を整備する。複合施設の延床面積は2242平方㍍を想定しており、行政・保健機能が1392平方㍍、公民館機能が850平方㍍となる。階層は敷地面積を踏まえ、2階建てを予定している。


 現在のスケジュール案では、19年度に用地購入、基本設計、地質調査、造成設計などを予定。20年度に実施設計、用地造成を行い、21―22年度に建設工事、外構工事を施工する。移転後の23年度に現庁舎を解体する予定。



■鳥栖市新庁舎建設


 新庁舎の建設地は現庁舎のある同市宿町1118番地などで、全体の敷地面積は約3万平方㍍となる。現庁舎を使いながら新庁舎を建設するため、新庁舎は現庁舎の北西にあるグラウンド内(約8500平方㍍)に設置する方針で、約600台分の駐車場や、軽いスポーツや災害・緊急時対応で使える多目的広場なども整備する。


 新庁舎の規模は鉄筋コンクリート造3階建ての方向で検討しており、床面積については総務省の基準や近郊市の事例を踏まえ1万1000平方㍍から1万3500平方㍍を目安に設定。年明けに基本設計が完了する見通しで、大まかな床面積が決まる予定。


 事業スケジュールは19年6月に実施設計が完了する見込みで、秋以降に新庁舎の建設工事着工、20年度末までに本館などの建物の竣工を目指す。21年度から本館の供用を開始し、同年度に現庁舎を解体、22年度にかけて外構工事を実施する予定。


 概算事業費は約65億円と試算しており、内訳は▽調査設計関連費用(測量・地質調査、設計・監理)約2・5億円▽建物工事費用(新庁舎建設工事)約50億円▽外構・解体工事費用(外構工事、解体撤去)約10億円▽その他費用(備品など)約2・5億円―となる。



■佐賀広域消防局・佐賀消防署の庁舎改築


 佐賀広域消防局・佐賀消防署の庁舎(佐賀市兵庫北3丁目)は、建設から37年が経過して建物本体や諸設備の経年劣化が進行し、職員数の増加などに伴い狭隘化しているため、新庁舎を建設する。また、新庁舎内に高機能消防指令センターを整備する方針。


 同署の敷地面積は約1万1850平方㍍で、既存庁舎北側のグラウンドに新庁舎(延床面積約6000平方㍍、指令センター含む、構造、階数は提案による)と訓練棟3棟(A棟=鉄筋コンクリート造5階以上、延床面積約180平方㍍程度、B棟=同造3階以上、同110平方㍍、C棟=同造3階以上、同110平方㍍)を建設する。
 このほか、敷地内に職員用および来客用の駐車場150台程度、駐輪場20台程度を整備する。


 施設整備のスケジュールは建築の実施設計が19年3月に完了する見通しで、19年9月から20年10月の工期で新庁舎の建設を進め、11月から21年3月に通信指令システムを設置し、21年4月に新庁舎の運用を開始する予定。21年6月から22年3月までに外構工事、旧庁舎などの解体工事を行う方針。


 全体の概算事業費は約30億円(税込み)を見込んでいる。




■神埼高校の移転改築


 佐賀県は、神埼高校を神埼清明高校の北側隣接地約4㌶に移転改築する。校舎や体育館、武道場、多目的グラウンドを整備する予定。


 規模は校舎が鉄筋コンクリート造3階建て・延床面積約5500平方㍍、体育館が鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造2階建て・延床面積約2000平方㍍、武道場が鉄骨造2階建て・延床面積約900平方㍍を想定。


 19年6月県議会で工事議案を承認し、夏頃から順次着工する予定で、グラウンド整備も含め、21年の夏休み前の完成を目指す。




■神埼市脊振町複合施設建設


 脊振町複合施設の設置場所は脊振庁舎周辺(敷地面積約5380平方㍍)。建物は3階建ての分棟型で、延床面積2625平方㍍。2階部分を連絡通路で連結する。機能別の床面積は▽防災・行政機能423平方㍍▽生涯学習センター・災害時避難所機能1554平方㍍▽健康・医療機能647平方㍍―としている。


 1階は南側(県道側)に市民ホールや図書館などのにぎわいを生む機能、北側に診療機能や行政窓口を配置。2階には市民サークル活動の場となる和室や調理実習室、3階に200人以上が収容可能な大会議室を整備する。屋上には空調室外機と太陽光パネル(10㌔㍗想定)を設置する。


 神埼市は18年度一般会計11月補正予算で脊振町複合施設建設工事費5億8557万円を計上し、建設工事および監理委託等で18―20年度の3カ年継続費15億0740万円(工事請負費14億6394万円、工事監理・意図伝達業務委託3847万円、工事監督員支援業務委託499万円)を設定した。


 本体建設は2段階で行い、Ⅰ期工事が19年3月から12月まで、Ⅱ期工事が20年2月から8月までを予定している。



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