「斜面防災対策技術フォーラム」 /曽我紀仁氏(日本建設技術㈱)が優秀発表者に
2020年01月01日(水)
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同社の曽我紀仁氏は、2019年10月17日に島根県松江市のくにびきメッセ(島根県立産業交流館)で開催された「第22回斜面防災対策技術フォーラム2019in松江 若い技術者のために」で技術発表を行った。「集水井を連結する排水ボーリングの施工」と題し、集水井間の距離が約87㍍の連結ボーリング(排水孔)を暖傾斜3度で連結した際の困難や工夫点などを発表。優秀発表者に選ばれた曽我氏に発表を終えた感想を聞いた。
日本建設技術㈱に2012年6月に中途採用で入社させていただき、主に受注した工事の現場代理人として現場管理を行ってまいりました。
「斜面防災対策技術フォーラム2019in松江」で発表してみないかと上司から声をかけていただき、現場をこなす事だけを考えて今まで仕事を行ってきた私が、それを原稿にし発表するなどという事は考えたこともありませんでした。原稿を考える文章力も表現力も無い私がこんな大役を果たせるのだろうかと、正直不安という文字しか浮かびませんでした。
しかし、上司や歴代の発表者の方々に後押しをいただき、折角の機会と思い挑戦を決め、佐賀県多久市で行った「集水井を連結するボーリング」について発表する事にしました。
まず、現場管理では使用する事の無いパワーポイントで原稿を作成することに悪戦苦闘し、ようやく原稿を作成し社内で予行演習を行いましたが、1度目の結果は散々な結果で指摘され放題な状態で、発表時間13分以内で終えたこと以外は、ほぼ棒読みで文章にまとまりが無く、ただまとめた原稿を読み流すだけでした。
1度目の予行演習で指摘された事を基に、2度目の予行演習に向け原稿の修正を行い、発表しましたが、実際に現場で苦労した点や施工状況を上手く話すことができず、納得のいく原稿ができずに不安ばかりが募っていました。
色々な指摘やアドバイスをもらい、原稿に向き合い修正を行いましたが、中々納得する原稿ができないまま原稿提出締め切りの期日がきてしまい、不安が消えることなく松江へ向かうことになりました。会場に到着し私の発表の順番がくるまで精一杯原稿を見直し、間違えが無いように、上手く話せるようにと、不安と緊張を抑えていました。
他の方々の発表を聞いていると、皆さん上手に発表を終えていかれ、私の順番が近づくにつれ、緊張の度合いも増えていき、失敗しても元気に分かりやすく発表しようと思うようになりました。そして私の順番になり、自己紹介から始まり、パワーポイントを使い発表を進めていきました。途中、緊張のあまり文章を読み間違えたり、操作を間違えたりしましたが、丁寧な口調と会場にいらっしゃる方々に内容が伝わるようにと気をつけながらなんとか最後まで発表することができました。
発表が終わり、待機席に戻って思い返してみると自分が何をどのように話したのか思い出すことができないくらい緊張しており、すべての発表が終わり、やっと緊張が緩んでいく中、発表者の授賞式を残して休憩が入り、臨席されていた社長に緊張のあまり上手く話せませんでしたと伝えたところ、「よかったぞ」と言っていただきとても嬉しく、やっと肩の荷が下りた気持ちになりました。
休憩が終わり、発表者の授賞式が始まり、なんと優秀発表賞をいただくことができました。まさか私がこのような賞をいただけるとは思いもしておらず、かなり驚きました。社長からも「よかったな」と、ありがたい言葉をいただきとても嬉しかったです。
現場をこなすだけが自分の仕事と考えていた中、新しいことに挑戦した結果だったのかなと思っています。
社内では若い方ではないですが、結果にとらわれず苦手なことへも挑戦する気持ちを忘れずに行動していくことで、自分のスキルアップや後輩へのメッセージになればいいなと思います。
最後に社長をはじめご助言いただきました社員の方々へ感謝申し上げます。