【技能実習生インタビュー】 /実習通して夢も 『いつかベトナムでバックホウを』
㈱横尾土木 ヴィ・ヴァン・ハイ氏 ホー・シー・タン氏 レー・ヒュー・タム氏
2020年01月01日(水)
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佐賀県内でも外国人の姿を目にすることが珍しくなくなってきた。2000人を超える技能実習生が県内の企業で汗を流している(2018年6月末時点)。食料品製造や繊維・衣服関連と並んで建設業を学ぶ者も多い。
技能実習制度は、国際貢献のために開発途上国などの外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ、実務作業を通じて技能を移転するもので、1993年に創設。2019年4月に「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法」(改正入管法)の一部を改正する法律が施行。建設業を含む14の特定産業分野で特定技能外国人労働者の受け入れも始まった。日本の国際協力と建設業界の人手不足解消のためにも、外国人技能実習生の積極的な受け入れが望まれている。
一方、技能実習生たちはどんな展望を持って日本にやってきて、どんなことを日々感じて働き、暮らしているのか。㈱横尾土木(佐賀市、横尾敏裕代表取締役)で19年8月から働いている3人のベトナム人実習生、ヴィ・ヴァン・ハイ氏(33歳)、ホー・シー・タン氏(32歳)、レー・ヒュー・タム氏(21歳)に話を聞いた。
―技能実習生として日本で働くことを決めた理由を教えてください。
ハイ氏:家族のためによい収入を得たかった。
タム氏:日本に興味があった。日本の文化を勉強したかった。
―どんな仕事をしていますか
タム氏:空港の近くで働いています。災害に強くする工事(クリーク防災事業に係る工事)をしています。初めてのことが多くむずかしいです。(でも)だんだん上手になります。
―実際に働いてみてどうですか。
タン氏:仕事で使う言葉を覚えるのが多くて大変。
3人は同社での実習が決まった18年末から日本語の勉強をして来日した。インタビューにも、単語を組み合わせて日本語できちんと応えてくる。彼らは、しゃべることより聞き取りが難しいという。「来い・濃い・鯉・恋」「鼻・花」などの同音異義語の聞き取りに特に苦労している。さらに方言という課題もある。日本語の学習は標準語で行われたため、方言にも戸惑うようだ。
―会社の人たちとどんな風に接していますか。
タン氏:日本での生活は楽しいかと気にしてもらっています。それとベトナムの生活についても聞かれます。
ハイ氏:クリークの工事の休憩時間に魚を見つけたり捕まえたりもします。
―ベトナムと比べて日本の気温はどう感じますか。
タム氏:日本の夏はそんなに辛くない。
タン氏:冬はベトナムより寒い。(着ている同社の作業用ジャンバーを指さして)ベトナムではこういうのは着ない。
ベトナムの気候は沖縄に似ており、実際にベトナム北部と沖縄の緯度は近い。
―技能実習の経験はベトナムに戻ったときに役に立ちますか。
タム氏:ベトナムも工事は多い。建設の仕事をするならとても便利だと思う。
―ベトナムに戻ってからも建設業をしようと思いますか。
タム氏:ベトナム人は数年ごとに転職するので、たぶん建設以外の仕事もする。
タン氏:私はベトナムでバックホウを買って土木の会社をつくりたい。