『字のないはがき』 原作/向田邦子 文/角田光代 絵/西加奈子
2021年08月24日(火)
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脚本家、エッセイスト、直木賞作家でもある向田邦子さんが、飛行機事故での突然の死から今年で没後40年になります。残された多くの言葉や物語は、時を経ても色褪せることなく人々の心に響き続けています。向田作品の中でも不朽の名作「字のない葉書」が絵本になりました。
子供たちに伝え継ぎたい、戦争と家族の絆の話です。
終戦の年の四月、小学一年の末の妹が甲府に学童疎開をすることになった。妹の出発が決まると、父はおびただしい葉書に几帳面な筆で自分の宛名を書いた。「元気な日はマルを書いて、毎日一枚ずつポストに入れなさい」と言ってきかせた。妹は、まだ字が書けなかった。一週間ほどで、始めての葉書が着いた。紙いっぱいはみ出すほどの、威勢のいい赤鉛筆の大マルである。ところが、次の日からマルは急激に小さくなっていった。情ない黒鉛筆の小マルは遂にバツに変った。間もなくバツの葉書もこなくなった。(原作より抜粋)
当代人気作家の2人、向田ファンで知られる角田光代の渾身の描写と、西加奈子の大胆な構図と色彩で美しい絵本に。第1回「親子で読んでほしい絵本大賞」受賞作。
小学館: 原作/向田邦子 文/角田光代 絵/西加奈子
1,650円
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当代人気作家の2人、向田ファンで知られる角田光代の渾身の描写と、西加奈子の大胆な構図と色彩で美しい絵本に。第1回「親子で読んでほしい絵本大賞」受賞作。