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【県内企業の技術紹介】

㈱バイオテックス /県内有数の構造物調査技術「ソフトコアリング」「ロビオン」

2021年08月24日(火)

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柱からのサンプリング採取の様子。「ソフトコアリング」は、採取コアの小型化と測定の正確さを両立している

タッチパネルとジョイスティックを使用し操作する「ロビオン」

 管路工事、橋梁補修工事や管路施設調査などを手掛ける㈱バイオテックス(佐賀市、原田烈社長)。同社では、県内でも有数の調査技術や検査機器を有している。


■コンクリート構造物調査技術「ソフトコアリング」

 コンクリート構造物の調査技術である「ソフトコアリング」は、採取コアの小型化と測定の正確さを両立させている。従来、コンクリート強度を調べるには、直径100㍉㍍のコンクリートコアの採取を標準としていた。ソフトコアリングでは、直径25㍉㍍程度の小径コアの圧縮強度に補正係数を乗じて、建築構造物のコンクリート強度を測定する。小径コアと直径100㍉㍍のコアの圧縮強度に相関関係があることを利用し、採取コアの小型化を実現させた。その結果、ソフトコアリングは非破壊試験の簡便さ、および破壊試験の正確さの2つのメリットを併せ持っている。

 一方、「ソフトコアリングC+」は、土木構造物に適用できるコンクリート構造物の調査技術。サンプリングの採取方法やコンクリート圧縮強度試験はソフトコアリングと同様で、塩化物イオン量の測定と中性化深さ測定などの土木対応技術が新たに追加されている。

 (一社)ソフトコアリング協会には、県内では㈱バイオテックスのみが加盟している。田村修一取締役統括部長は「劣化調査の際、部材厚が薄い対象物でも、ソフトコアリングC+ならば、採取コアが小さくても正確に強度測定ができる」と利便性について話した。

 なお、ソフトコアリングは(一財)日本建設センターの建設技術審査証明、ソフトコアリングC+は(一財)土木研究センターの建設技術審査証明をそれぞれ取得している。

■管内検査カメラシステム「ロビオン」

 自走式テレビカメラを用いて、下水管などの管内調査を行う。

 車体は前進、後退に加え、左右独立駆動により蛇行走行や旋回も可能。円形の管だけではなくボックスカルバートや側溝などの走行もできる。ホイールの種類も豊富で、塩ビ管など滑りやすい管の走行に適したホイールもある。ユニットの組み合わせにより、同社では直径150~1000㍉㍍までの管を調査できる。

 操作にはタッチパネルとジョイスティックを使用し、イラスト表記のボタンで直感的に操作できる。巻き取りケーブル(300~500㍍)にはリモートコントローラを備えており、取り回しがしやすく遠隔地でもケーブルの巻き取りや車体の走行、カメラヘッド視方向の調整などを行える。

 各ユニットには温度、圧力などのセンサを搭載しており、画面上で機械内部の状態を確認できる。車体やカメラヘッド内は完全防水となっており、内部に窒素ガスを充満させることで、機械内部への水の浸入を防ぐ。

 今別府孝平係長は、県内外で管内調査に携わっており、ロビオンについて「県内でも、ロビオンを保有している会社は少ない。車体が柔軟に動くので、検査がしやすい」と語った。








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